納税者代表訴訟制度
企業不祥事について、国民生活に広く被害が及ぶことから、公益通報者保護法ができました。同様に、道路公団や社会保険庁等による著しく不適正な運用等により、税金、年金資金、雇用保険の資金等の公金が無駄遣いされ、本来受けられるはずの年金が受けられなかったり、税金や保険料の値上がりを招来して、国民生活に広く被害が及んでいることから、例えば次のような法制について検討すべきではないかと思います。
A案
株主代表訴訟の公務員版
1.国家公務員の職務執行につき悪意又は重過失を以てする
2.1億円以上の支出負担行為について国に損害が発生
3.本邦において1年以上居住する国民(外国人を含む)が、
4.国に対し、書面を以て、当該公務員の責任を追及する訴えの提起を請求できる。
5.60日以内に訴えを提起しないときは、国民が東京地裁に提起
6.訴額は財産権上の請求でない請求に係る訴えとして算定(160万円とみなす)
7.国庫への返還を命ずる判決
8.裁判所は原告に担保提供命令を出せる。
9.国の補助参加義務
10.原告が勝訴した場合の弁護士報酬の請求
B案 国賠義務を前提とした求償についての代表訴訟
国賠法の改正によって、国が国賠法上の損害賠償義務を負った場合の公務員への求償を国が怠った場合に、納税者代表訴訟を認める。
1.国が当該公務員の故意又は重過失の行為により、国賠法上の損害賠償義務を負った
2.当該国賠訴訟で当該公務員も訴訟告知を受けた
3.本邦において1年以上居住する国民(外国人を含む)が、
4.国に対し、書面を以て、当該公務員の責任を追及する訴えの提起を請求できる。
5.60日以内に訴えを提起しないときは、国民が東京地裁に提起
6.訴額は財産権上の請求でない請求に係る訴えとして算定(160万円とみなす)
7.国庫への返還を命ずる判決
8.裁判所は原告に担保提供命令を出せる。
9.原告が勝訴した場合の弁護士報酬の請求
※ B案では、公金の違法な使用には対処できない(国民には損害賠償請求権がないから)。