日弁連主催CSRセミナー
2007年10月26日18~20時に、日弁連特別研修会「企業の社会的責任(CSR)時代の弁護士業務」の講師をしました。
日弁連のCSRプロジェクトチームの委員で分担してお話をしたのですが、全国の弁護士会に衛星生中継だったうえ、今後1年半くらい日弁連の会員専用サイトでストリーミング映像が公開されるため、大変緊張しました。わずかな講師謝礼も出たので、研修会終了後、講師を務めた委員数名で弁護士会館の地下にあるお店で慰労会をしました。
ヨーロッパ発のCSRというコンセプトはここ数年で急激に認知度が高まってきています。ソフトローによる企業社会の秩序が今後一気に中小企業にまで拡大することが予想されます。
本来のCSRにはコンプライアンスは含まれない、フィランスロピー(社会貢献、寄付)も含まれない、環境保護ももともとは含まれなかった、という話を経産省の藤井敏彦さんにしてもらいました。このあたりの事情は日本では大変誤解の多いところですが、明快に解説していただき、参加者は目から鱗が落ちたのではないでしょうか。
このようなCSRの出自を理解した上で、日本型CSRのあり方を考えていくのでなければ、コンプライアンスもフィランスロピーもCSRというコンセプトの中に放り込んでしまう日本型CSRを国際標準と思ってしまうと、CSRに対する無理解を疑われても仕方がありません。
ヨーロッパのCSRがどのようなものなのかをきちんと理解するには、藤井さんの『ヨーロッパのCSRと日本のCSR、何が違い何を学ぶのか』(日科技連出版, 2005年)は、大変参考になる本です。